心の鈴 ~その3~

お疲れ様と言ってくれている靴  

ひと足先に退社するスタッフが、

残っているスタッフの靴を履きやすい方向に変えて揃えておいてくれます。(感謝)

by おりりん&きよちゃん

 

 

日頃、何気なく読んだ本の一説や、何かを求めて読んだ本の一説が、心にとまり迷っていた自分を導いてくれたり、気付かなかったことに気付かせてくれることがあるものです。

 

その一説は、いつも耳にするような言葉だったり、どこかしらで聞いたことのあるような言葉だったりするのですが、何故かその本を読んだ時に心にひっかかり、とどまり、明日へと導いてくれます。

今、このタイミングでこのシチュエーションでしか出逢うことのできない言葉、感じられない言葉・・・ 

 

そんな言葉に出逢うために本を読みたいのですが、いかんせん最近は、眼鏡をかけたりはずしたり、ランプを点けたり消したり・・・そして、自然に本を近づけたり遠ざけたり(汗)

ついにやってきた鼻眼鏡の必要なお年頃となり、あ~だ!こ~だ!しているうちに本に突っ伏して Zzzz・・・

以前に比べて、ガクンと読書量は減り頭は錆付くばかり。

 

あ~ぁ。まったくぅ~。と、我ことながら情けなく思ったりしていたのですが、それでも日々心に響く言葉に出逢っていることを自覚。

 

《 あきず 》が開設して初めて迎えた初夏にご利用が始まり、6年間。

「ただいま~」と、朝の玄関で可愛らしい笑顔をみせてくださる、M様。

週5回、体調が悪い時も、気分がすぐれない時も・・・笑顔を欠かすことなく来所。

 

寂しがり屋さんで静養室に休まれていてもスタッフが側にいて欲しいし、「わがままいいたい~~」と思ったことを素直に口にされ、「ただいま~」と来所されたのにも関わらず、スタッフと目が合えば「今日の帰りは何時?誰が送ってくれるの?」と尋ねられる、憎めない

純粋な子供のよう。

 

純粋さは常に発揮され、争いごとが大嫌いで、新規ご利用者様がこられようものなら寂しくないようにと真っ先に声を掛けてくださり、痛い、痒いと他のご利用者様が話されようものなら「私の薬を塗ってあげて~」と即反応。

静養室にスタッフを呼ばれては、「ちょっと休みなさい」と、掛け布団を上げて待っていてくださったり、あげくには肩もみまでして下さいます。

周りの人の調子の悪さをいち早く感じ、気遣っておられます。

 

子供のようで、母のようで・・・

 

そんなM様がいつもと変わらず、静養室で度々、帰りの時間と、送迎担当者のことを気にされていたので、え~い!泣きついてしまえ!と、「なんで帰るの~~、寂しいよ~~。」と言ってみました。

そしたら、「帰りたい!」と駄々をこねていた(←失礼しました(汗))M様が、横になったままパッと腕を広げられたので、その胸に顔をうずめることに・・・

そして、私の背中をなでてくださりながら「泣きなさい。泣きたい時には泣きなさい。心が苦しくならないように・・・」と、何度も仰ってくださったのです。

泣きついた理由はともあれ(笑)、その時あることに踏ん張っていた私の肩の力が一気に抜けるのを感じました。

 

何度となく「泣きたい時には泣きなさい。」という言葉は、目にし耳にしたけれど、このときのように心に染み渡った時はなかったように思います。

 

80才と少し・・・私が一緒に過ごさせていただいた間にだけでも色んな経験を重ねてこられています。私が知りえない間にどれだけ多くのことを経験されてきたのか・・・

 

ありがたいことに私の周りには、あまりにも多くの経験を重ねてこられた方々がいらっしゃって、M様からだけでなく、毎日毎日心に響く言葉があふれています。

ご紹介したい言葉は山とあり、きりがないほど・・・

 

読書の時間が減ったって大丈夫?(←ダメ駄目な感じもするけど)

明日に向かわせていただける言葉に支られながら、今日も、明日も、がんばろ!!と、思っている今日この頃です。

                         

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